社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

「へえ、なるほど。じゃあ涼香が言ってたのは前原さんのことだったのね」

「涼香?」

 商談が一段落ついた頃、いたずらっぽい顔で見つめられてきょとんとすると、木浦さんは目元をほころばせた。

「LANAの担当、小柳涼香よ。あの子は私の大学の後輩なの」

「へえー、そうだったんすかあ」

 名取さんが驚いたように目を開き、私は反対に目を細める。

「私のことを、お話されてたんですか……?」

「まあ、いろいろとね。でも新井さんにばっさり切られていい薬になったと思うわ。あの子、昔からちょっと強引なところがあったから」

「ええ! なんの話すか? 小柳さんとうちの社長の間になにか……⁉」

「名取君は知らなくていい話よ」

「えー木浦さんてば、つれないなぁ」

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