社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

 赤い顔でもしっかりとお酌をしている名取さんは、実は顔に出やすいだけでアルコールに強いのかもしれない。

 社長が商談の話をしている最中は抜かりなくメモを取っていたし、と隣のリンゴみたいに染まった顔を見ていると、その向こう側に座った社長と目が合った。

 はっとして私は木浦さんに目を戻す。

「あの、弊社の新井は女の趣味が悪い、などといった噂は回ってませんでしょうか……?」

 目をぱちくりさせた後、木浦さんは噴き出した。

「回ってないわよ、そんな噂」

 アルコールのせいもあるのか、ご機嫌そうに笑っている彼女を見ながらほっとした。

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