社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~


 無言のまま電車に揺られ、いつもの八階の部屋に戻ってくるなり私はソファに放り出された。社長は厳しい顔のままサマージャケットを脱ぎ、きちんとハンガーにかけてからぎろりと私を見下ろす。

「いい加減、頭にきた」

「え……え?」

「無防備すぎる」

「はい?」

 私の隣にどすりと腰を下ろすと、社長は深いため息をついた。そんな姿を眺めながら、私は能天気にもうっとりしてしまう。

 やっぱり社長はかっこいい。

 背の高さや声の低さもそうだけれど、名取さんには感じなかった『男性らしさ』が全身から滲みだしていて、そばにいるだけで頬が熱くなる。

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