社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

 新庄さんに対しては我儘で、口がよりいっそう悪くなって、少しだけ子どもっぽい。心の底から気を許しているような態度に、気持ちが沈んでいく。

「さてと、急がなきゃ」

 時計を気にしていた新庄さんが、思い出したように社長室を出て洗面所の方に向かっていく。

 私も社長室を後にし自分の机で帰り支度をしていると、上の階かららせん階段を下りてくる長身の背中が目に入った。

 フロアに降り立った彼に、心臓が大きく跳ねる。残っていた社員たちも彼に気づき、言葉を失っているようだった。

「社長、素敵!」

 声を上げたのは給湯室から出てきた金髪の板倉さんだ。手に持ったマグカップを振り回す勢いで社長に駆け寄る。

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