社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
自分に能力がないなんて、最初からわかっていたはず。だからこそ、私は誰よりも努力しなくちゃいけないのだ。
「梨香(りか)のパソコン借りて、タイピングの練習しよ……」
妹の顔を思い出しながら中空でわきわきと指を動かしていると、遠くから声が聞こえた。
「あれー新人さんだ。なにしてんの?」
見ると、公園の入口から金髪ショートボブの若い女性と三十代くらいのメガネをかけた男性が歩いてくる。
「お昼? ひとりだったの?」
手にしたアイスコーヒーのテイクアウトカップを掲げるようにして、金髪女子は周囲を見回す。どうやら同じ会社の人たちらしい。
「うちら、そこの定食屋行ったんだよ。誘えばよかったね」