いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「ちなみにその好きな人にはアタックしているんですか?」

「あ、その……」


隠している訳じゃないけど、進藤先輩は既婚者だ。

もう望みのない恋愛。

私の中ではその事実を受け入れている。

泣かなくなったし、好きになってよかったとさえ思っている。


「実はつい先日失恋しまして」

「ええっ!?」


本日2回目の驚きを見せる仁科さん。


「楢本さん可愛いのに!?」

「いや、可愛くないですよ!?」


失恋という言葉を口に出してももう大丈夫。

うん、ちゃんと受け入れている。


「楢本さんを振るとは……なんてやつ」

「別に振られた訳では無いので」

「え?それは相手に彼女が出来たとかですか?」

「……結婚されて」

「結婚……」


その言葉に仁科さんは色々と察したようだ。

結婚ならどうしようもないねとぼそっと呟いた。
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