いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「……3つじゃ足りませんか?」

「足りない」

「えっと……」


それならばともう2つ追加する。

それでも槇さんは手を引っ込めなかった。


「あ、あの。キャンディなくなるんですが」

「ん」


仕方ない。

そう思った私は袋ごと槇さんの手に乗せた。

すると彼はやっと手を引っ込めた。


「下にキャンディ買いに行くの?」


袋ごとあげたわけだから、本来であれば買いに行くけど、机の上には大量のチョコ。

まずはこれを食べないと。


「今日は槇さんからもらったチョコがありますから行かないです」

「そう。それなら良かった」


良かった?

何か良かったのなのだろうか?

でもそれを聞く前に槇さんは自席へと戻っていった。

今のは一体何だったんだろうか。
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