いちごキャンディ×ブラックチョコレート
あれからどれくらいの時間がたっただろうか。

かなり長い時間たった気もするし、思っていたよりは短い時間かもしれない。

でもどれだけの時間が過ぎたとしても、その間槇さんはずっと私を抱きしめてくれた。

1人だったらもっと取り乱していたと思う。


「ありがと……ございます」

「もう平気?」

「だいぶ落ち着きました……が」


全力で泣いたため、洋服に私の涙の跡がついていた。


「ごめんなさい。洋服……」

「いいよ、別に。それに家近いし」

「でも」


せめてクリーニングに出した方がいいはず。

私のせいでこうなってしまったんだから。

「とりあえず、楢本はもう少しここにいた方がいいかもね」

「へ」

「今、人前に出たら色んな人から心配されるよ」

「!!」


とっさに顔を隠すも既にみられており、意味がないことに気づく。
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