お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
イエローベースの上品な輝きを放つ箔地には、優雅に羽ばたく鶴が描かれている。
いろいろと着させてもらっているうちに、千花はどれがいいのか正直わからなくなっていた。どれも素敵だから目移りしてしまう。
「また次回にしましょうか?」
美咲はそう言ってくれるが、時間的なことを考えると千花としては今日決定したい。
「うーん……どうしようかな」
千花が決めかねて頭を悩ませていたときだった。
「久城様」
美咲がハッとしたように顔を持ち上げる。その声に千花が振り返ってみれば、そこには都合がつかないと言っていた修矢が立っているではないか。
「修矢さん、お仕事は? 病院の方は大丈夫なんですか?」
打掛を肩から掛けたまま、数歩足を出す千花の斜め後ろで、東子が「ちょっと嘘でしょ……」と声を漏らした。