お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

到着したワンダーランドは、日曜日というだけあって午後五時を過ぎてもたくさんの人で溢れていた。

入場ゲートから入ったショッピングアーケードは、土産物を買い求める人たちでごった返し、すんなりと前へ進めない。すれ違いざまに人と接触しながら千花が歩いていると、修矢が不意に千花の肩を抱き寄せた。

ドキッとして千花が横顔を見つめると、「危なっかしいから」とぶっきらぼうなひと言を修矢が返す。

たとえそうだとしても、ちょっとした優しさを見せられた千花はどぎまぎとしてしまう。左半身が修矢の身体に密着するたびに、必要以上に胸を高鳴らせた。

園内は千花の予想どおり美しいイルミネーションで彩られている。アーケードを抜けて人混みが和らいだあたりから手を繋いだふたりは、目的の乗り物があるわけでもなく、黙ってゆっくりと歩いていた。ワンダーランドは園内の雰囲気に触れるだけでも楽しい。


「ね! あの人、モデルさんかな。かっこいいんだけど!」


不意にそんな声が千花の耳に届く。
声につられてそちらを見てみれば、ふたりの女性がこちらを見ていた。その視線の先は明らかに修矢だ。

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