お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
対して小さな弁当屋を営む幸助とでは、つり合いがとれない。恐れ多いにもほどがある。
見合いの話は白紙にしようと幸助が申し出たが、幸助の人柄をすっかり気に入った智弘はそれを拒否。実は久城自身、何度もわたせキッチンの弁当を食べたことがあるらしく、大ファンを公言するほどらしい。
智弘が人を治す神の手の持ち主なら、幸助は人のお腹を満足させる神の手の持ち主だと。そのうえ、感じのいい接客をする千花ならば、息子の嫁として迎えるには申し分ないとまで言ってもらえた。
決してお世辞とは思えないことを誠心誠意言われれば、幸助も首を横には振れない。それではよろしくお願いしますと、互いに握手を交わしたそうだ。
「相手がそんなすごい方の息子さんなんて、私には不釣合いだよ」
息子がどんな人物なのかは千花も知らないが、有名な心臓血管外科医の息子ならば、きっとそれ相応の地位にいる人だろう。そんな人との結婚では、破たんすることが目に見えている。
「あちらはそんなことは気にしないでほしいって言ってくださってるのよ? なんせ身元は大病院としっかりしているし」