お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

言われてみればそうだった。お互いに連絡先の交換をしていない。
修矢は決まりが悪そうに鼻の下をこするが、『連絡するよ』という言葉になんの疑いももたずに頷いたのは千花も同じ。


「でも、キミのご両親にきちんと報告していなかったから、いい機会だ」
「……報告?」
「俺たちが結婚すること」


たしかにそれはそうだが、互いの両親がもってきた結婚話なのだから、今さら報告?という思いも千花にはあった。
修矢は意外にも真面目な性質なのかもしれない。


「もっと早い時間に来られたらよかったが、緊急のオペが入って」
「そうだったんですね」


今日は日曜日で病院は休診だが、緊急であれば手術は関係ない。オペだと聞いて、修矢の顔に疲れが滲んでいることに千花は気づいた。


「大丈夫ですか? 疲れているなら別によかったのに」
「いや、こういうことは引き延ばすものじゃないから」


思い立ったら即行動。修矢らしいと言えばそうだ。

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