お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

「すごいですね」


そんな感想しか出てこない。


「別にすごかない」
「そういう家庭に育っているから、そのすごさがわからないんですよ。映画やドラマにでも出てきそう。そんな家族が本当にいるんですね」


驚きながら千花が感心していると、どこか憮然とした修矢の横顔が目に入った。


「……なにか怒ってますか?」


横顔からでも眉間に皺が寄っているのがわかる。


「べつに怒ってない」
「あ、そうか」


千花はすぐにピンときた。その顔は修矢のスタンダード。怒っているわけではなく、そんな顔の持ち主なのだ。


「なにが〝あ、そうか〟なんだ」
「あ、いえ、なんでもないです。こっちの話で……」


さすがにそんなことを修矢に直接言えるわけがない。千花はそこで口を閉じ、おとなしく助手席に身体を預けた。

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