3秒後、きみと恋がはじまる。



「まあ、有村くんに憧れる気持ちは分かるけど…」

「えー、私はちょっと苦手だなぁ。怖いし。

噂じゃファンの女の子たちに誕生日聞かれたら、いつも適当な返事してるって聞いたよ」




ユリは有村くんのことが好きじゃないらしい。
…にしても、誕生日すら教えてくれないのか。



「えー、何それ。どういうこと?」

「いつも適当なこと言うから、誕生日は5月って聞いた人もいるし12月って聞いた人もいるし…
本当は何月生まれなんだろうね?」



そ、そんなことってあるんだ…。
なんだろう、女の子たちから祝われるのが面倒くさいとか?

よくわからないなぁ。



「とりあえず、仲良くなりたいから、特進科まで挨拶しに行ってくる!」



「え、特進科に行くの!?」
「勇気ある〜」


驚く2人にニッと笑って見せて、特進科の校舎に向かう。

科によって校舎が違って渡り廊下でつながっているので、私たちのいる普通科から特進科に行くには廊下を二回渡らなければいけない。




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