3秒後、きみと恋がはじまる。



「やったぁ〜〜!!!!!」




あれから2週間ちょっと。
テストも全部終わって、採点されたテストを返却されて。


恐る恐る、数学のテストをめくると。
そこには赤い文字で書かれた「67点」。


すごい!全然赤点じゃない!
赤点じゃないどころか、私、こんなにすごい点数とったことない!


「え、すごいじゃない桃!私より高い!」
「よかったー!留年回避だね!」


ユリとスミレが私のテストを見て驚いているけれど、何より驚いているのは私だ。

すごい!すごい!

嬉しくて、早く、今すぐに、茜くんに報告したくて。


ちょうどスマホが鳴って、見てみれば、郁人くんからのメッセージだった。



『櫻木 郁人:留年回避!桃ちゃんは?』

『私も!』と返事をして、ほっとして自分の席に座る。


茜くんにもメッセージ送りたいけれど、茜くんは授業中にスマホなんか見ない気がするし。

なにより、直接会って、ありがとうって言いたい。



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