3秒後、きみと恋がはじまる。
ーーキーンコーンカーンコーン
4時間目の授業終了のチャイムが鳴って、私は一目散に教室を飛び出して、特進科に向かった。
「茜くん!」
ガラッと茜くんの教室のドアを開けたら、クラス中の視線を集めてしまって少し…いやかなり恥ずかしかったけれど。
「数学ね!67点だったの!」
持っていたテストの回答用紙を広げて興奮しながら茜くんに見せると、隣にいた要くんも私のテストを覗き込む。
「おー、すごいじゃん!
赤点からの67点なんてすごい進歩だよ」
驚いた顔をして褒めてくれる要くんに、えへへー、と頬が緩む。
「俺が教えたんだからもっといけただろ」
相変わらず厳しい茜くんはそんなことを言う。
…いや、褒めてくれる茜くんは想像できなかったけれど。
「…まあ、お前にしては頑張ったんじゃない」
「!!茜くんのおかげ!ありがとう!」
思わず抱きついてしまいそうな自分を必死で抑えて、お礼を言う。
褒めてくれた!嬉しい!