同期に恋して 〜ずっと片思い〜
「誠実だし、仕事もできるし、優しいし……あいつにはないものがいっぱいじゃない?」

「あいつって誰?」

最後は小声で言った千夏の言葉に、かぶせるように声が聞こえて私はビクッと肩を震わせた。

「高遠!」
驚いたように声を上げた美耶子に、私は二人の方を見ることができず、必死に言い訳を考えていた。

「女同士の話にいきなり入ってこないでよ」
美耶子のきつい言い方に、涼真は少し顔をゆがめると、私を見た。

「じゃあ、こんなところで話してるなよ。課長にだって聞こえるかもしれないぞ」
確かにそうだ。
課長にも誤解や、迷惑をかける訳にはいかない。
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