【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
一応献立はもう考えていて、二日分の食材を書いたメモ用紙を見ながら、苦笑い。
お店の人に言ってカートを借りて帰ろうと思ったけれど、それでもキツそう……
健太くんが付いてきてくれるなら、私としてはとても助かる。
遠くから、健太くんと佐倉先輩が話している姿を見つめる。
話が終わったのか、健太くんは私の方へ戻ってきた。
そして何故か、佐倉先輩もこちらへ駆け寄って来た。
「静香ちゃん、今から買い出し?」
「はい。行ってきます」
「ちょっと待って。柴原だけじゃ足りないだろうし、一年の奴連れて行っていいよ」
え……そんな、いいのかな……?
重たいものもあるし、人が多ければ多いほど助かるけれど……
「皆さん練習中だし、なんとか二人で持って帰りますよ……?」