【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
それに、ただの風邪とは断言出来ないから、念のため病院に行って診てもらった方がいい。
このままここに和泉くんを置いておくのは、心配過ぎる……。
苦しそうに息をしている和泉くんを見て、胸が締め付けられた。
「とりあえず、連絡入れたんでもうすぐキャプテンも来ると思います……!」
「そうですか……」
それしか言えなくて、私は小さく溜息を吐いた。
やっぱり和泉くん、体調が良くなかったんだ……。
私、気づいてたのに……どうしてこうなるまで、何もしなかったんだろう。
せめて佐倉先輩に報告したり、無理にでも休んでもらったり、すればよかった……
もっと私がちゃんとしてれば、ここまで悪化することも無かったかもしれないのに……。
「柴原!和泉のやつ大丈夫?」
自己嫌悪に陥っていると、部屋の扉が開いて、佐倉先輩が顔を出した。