【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


マネージャーさんによると、熱は少し下がったらしく、このまま早く回復出来ることを祈るだけだ。


正直、心配なのは変わらないので、早く元気になった姿を見たかった。







「ふぅ……」



お昼の休憩に入る部員さんたちに、タオルとボトルを配り終えた。


グラウンドのライン引きを健太くんに任せ私は使い終わったタオルの入ったカゴを持ち洗濯場へと移動する。


今日の半分が終わった……毎日ほんとハードだなぁ……。

リナちゃん、いっつもこれをしてるなんて……凄いっ……。


家に帰ったら、まずはリナちゃんに会いに行こう。

笑顔で、合宿無事に終わったよって伝えるんだ。


そのためにも、頑張らなきゃ……!



「……ん、あれ……?」



ふらりと目眩がして、近くの壁にもたれた。

貧血、かな……?

そういえばなんだかちょっと、体が怠い……。

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