【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜




今頃、ひとりで走り回っているかもしれない……。

心配で、私だけ休ませてもらっていることに罪悪感。


今日は朝から体調が悪かったけど、まさか倒れるなんて……。

代理で来たのに、また迷惑かけちゃった……。


佐倉先輩もああ言ってくれたけど、健太くんにもみんなにも、あとでちゃんと謝らなきゃ。




それにしても……



和泉くんが運んでくれたって、言ってたな……。


病み上がりの和泉くんになんてことをさせてしまったんだろうと自責の念に駆られるも、嬉しいと思ってしまった自分がいた。

また……助けてもらってしまった。




また……好きになってしまった。


どうしようもないって、わかってるのに……ここまでくると、呪いみたい。

そんなことを思って、自然と笑みがこぼれた。


倒れたことで、頭もおかしくなったのかもしれない。


今はなんだか……ふわふわして、夢見心地な気分。



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