【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜

「……え、えっと……なに、言ってるの……？」

「もう！だから、和泉はきっぱり諦めて、佐倉先輩に行きなさいって話よ！」



……え、ええっ……！



「……そ、そんなこと出来ないよっ……！」



突然、何てことを言い出すんだろうっ……！

きっぱり、諦めるなんて……リナちゃんは、私のことを想って言ってくれてるんだろうけど……

諦めるとしても、他の人と恋人関係になりたいとは思っていない。


それに、佐倉先輩のような人気な人が私のことを相手にしてくれるとも思わないし、なにより……



「なんでよ！」

「だ、だって……佐倉先輩は、良い人……だから、そんなふうに見れない……」



和泉くん以外の人なんて、考えたこと、ないっ……。