【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜

いつもはテスト前日はしっかり睡眠をとるけれど、今回は不安だったからテストのギリギリまで追い込みをしたんだ。


席を立って、教卓まで歩み寄る。



「よく頑張ったな、今回も学年トップだったぞ」



先生の言葉に、自然と頰が緩んでしまう。

「ありがとうございます」と成績表を受け取って、自分の席に戻った。



「お前たちも、花染を見習えよー」



見習うだなんてそんな、私はただ、人より勉強が好きなだけ。

むしろ、勉強以外に取り柄がないから、部活動や他の活動に取り組んでる他のクラスメイトを尊敬する。



「花染さんって、入学してからずっと首席だろ?」

「凄いよな〜、顔良し頭良し」



こそこそ何か言われているのが聞こえて、顔を伏せる。

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