嘘の続きは
「これからはいつでも一緒に見られると思うと実に感慨深い」

そう言って私の手をギュッと握ってくれる。
感慨深いって言い方はちょっと年上を思わせるけれど、そこはいい。
それより真島さんの私を見る目が深く熱をもっている気がする。これって。

二人の気持ちがぴったり合っていると思う。
この先ずっと一緒にいたい、心からそう思う。
真島さんの手に更に力が入るのを感じ、彼の口がゆっくりと開くのを見た。
「朋花、これからの人せーーー」

「俺と結婚してくださいっ!一生大切にしますっ!」

真島さんの声に被って隣から若い男性の大きな声が。
驚いて隣を見れば、少し離れたイルミネーションが付いた街路樹の下で若いカップルの男の子の方が今まさに跪いてプロポーズをしているところだった。

通りがかりの通行人も他のベンチにいたカップルも彼らに注目している。
皆、彼女の答えを息を呑んで待っている。

「喜んで」
巻き髪の白いふわふわなコートを着た若い女の子が嬉しそうに微笑んで跪く彼の手を取ると、周囲からは歓声と拍手が。

つられて私も拍手をしたけど、隣にいる私の夫は表情が固まっていたーーー

うんうん、鈍い私でもわかった。
今、プロポーズしてくれようとしたんだよね。
言おうとしたら先に隣の若いカップルが同じことをしたーーーってずいぶん気まずいよね。
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