秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
間取りは知っていたけれど、彼の選んだインテリアのセンスのよさに感心しながら、広々とした空間に圧倒される。
窓からは東京の夜景が一望でき、とてもロマンチックだ。

 目を輝かせながら夜景を見つめる樹里を見てから、樹里の隣にいる直樹の優しい笑顔に見惚れる。

樹里のことを知って以来、私たちのことをとても気にかけてくれる。

父親としての責任のためにそうしてくれているのかと思っていたけれど、彼自身も楽しんで私たちに関わってくれていることが伝わってきた。

 義務とか、責任とか、そういうのではない。純粋に家族になりたいと思ってくれて接してくれているのだと感じて嬉しく思う。

 彼の「家族になりたい」という気持ちを拒んでいたけれど、一緒に過ごすうちに少しずつ思いを改め始めた。

 私たちの気持ちを優先してくれる優しさ。樹里に対する態度を見ていると、父親そのもので、私以上に愛情を持って接してくれていることが伝わってくる。
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