秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
目の前にいる直樹に誘惑されて、今の私はいつもの私じゃないみたいに直樹を欲している。欲しくないわけないじゃない。

 でも、と揺れている間に、直樹の手が服の裾から中に入ってくる。

「友里の全部が欲しい。五年間も我慢していたんだから、もう限界だ」

 下着の上から撫でられ、理性が崩壊していく。私も直樹が欲しい。

 きっと直樹なら、全てを受け入れてくれる――

「ねぇ、友里。抱かせて」

 恥ずかしさよりも、求め合う気持ちが上回ってしまい、頷いてしまった。

「その代わり……暗くしてね」
「それはどうだろう? ここじゃできないから、向こうに行こうか」

 そこは「うん」って言ってくれるところじゃないの?と驚いている間に、お姫様抱っこをされて、少し離れたゲストルームへと連れ去られた。

 普段使っていないというベッドも綺麗に整えられており、その上にそっと置かれる。

「久しぶりだから……余裕ないかも」
「そう、なの……?」

 まさかそんなはずは――。

 そう思うけれど、嘘でもそう言ってくれたのは嬉しい。
 その言葉を最後に、直樹は野獣へと変化してしまった。

もちろん、甘い言葉は多く、手つきは優しいけれど、容赦なく私を求め、味わい尽くすように抱く。

 私の心配をよそに、体を見ても「綺麗だ」「可愛い」と褒めてくれて戸惑う様子はひとつも見せなかった。

 甘い時間のあと、私たちは樹里の眠るベッドへと戻る。
親子三人で眠る初めての夜。
 今まで味わったことのないような幸福感に包まれ、樹里と直樹の寝顔を眺めて静かに涙を零した。
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