秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
本社に戻ってから、他の重役たちに若輩者だとあしらわれないようにと、あらゆる経験をして人間として成長しようと努力をしている人。

それを知らないのに、天野さんは直樹の批判を延々と続けていく。

「お金なら俺だってあるよ。一生遊んで暮らせるだけのお金を持ってる。友里のことを幸せにしてあげられるよ?」

 寝転がったままの私の頭を撫でて、にっこりと微笑む。その笑みがとても恐ろしく、狂気を感じる。

「それなのに、なんでアイツなの。旦那は知らないんでしょ? 不倫してること」

 既婚者だと伝えていたので、直樹との関係は不倫だと思っているんだ。

ここも否定せず、とりあえず天野さんの話を聞いておく。

「友里って見た目によらず、大胆だよね。職場で不倫しちゃうし、若くで子どもを産んでるし。そういうところ、嫌いじゃないけど」

 彼の手が頭から頬へ移る。そして優しいタッチで何度も撫でて、そのままフェイスラインを下りる。
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