秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

俺なら、友里をこんな雨の日に自転車で行かせたりしない。

 自転車に乗る友里を見ていると、マンションの近くまで来たところで、マンホールの上で自転車をスリップさせてしまったようで転倒してした。

「あ……っ!」

 強く転倒した友里は、地面に荷物をぶちまけ、自転車の下敷きになった。
 その様子を見て、いてもたってもいられなくなってしまい、急いで駆け寄る。

「大丈夫か!?」
「……いたたた。すみませ……あ、小野寺くん」

 友里に傘を渡して、俺は倒れてしまった自転車を起こす。

「小野寺くん、ごめん。私のことはいいよ、濡れちゃうよ」
「いいから。貸せ」

自転車を起こしたあと、散らばったバッグの中身を拾う。俺の傘を持った友里は慌てて俺に傘をさした。

「怪我はしてないか?」
「うん、大丈夫」
「なんでこんな雨の日に自転車に乗るんだ。危ないだろ」
「……うん」
「旦那は送ってくれないのか?」

 何か理由があるのかもしれないと思いながらも、思いやりの感じられない旦那に腹を立てて、思わず友里に聞いてしまった。
 
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