隣人はクールな同期でした。
少ない可能性ではあるけれど
この音に賭けるしかなかった―――


どれくらい時間が経ったのか
警報音に耳が慣れ初め
若干だが雷が収まり雨量も落ち着いてきた。

アタシの脈は
全然戻らないけど。


「ねぇ!
 何か見えるッ」


早乙女さんは何かに気付いたらしく
遠くの一点に照準を合わせ
瞬きもせずにジッと見つめている。

その先の方角には川がある。

アタシも精一杯
弾む息を抑えながら
彼女の見てる視線の先に
目を凝らしてみると
確かに小さな光がいくつか動いていた。


「たぶんジンくん達だ!!」


正直ココからでは
その光が煌月達とはわからない。
下手したら危ない人かもしれないし
なんとも言えない。

けれどこのチャンスを逃すワケには
いかなかった。


早乙女さんは
未だ警報音の鳴るスマホを高く持ち上げ
こちらの存在に気付いてもらおうと必死だった。


そして…


奇跡が起きた。


光は確実にアタシ達に気付いていて
徐々にこちらに近付いてくる。
暗闇の中に明らかに動く
人の姿だった。



そして、ついに―――


「セツナ!」

「ヒナコ!」


目の前に
煌月と陽向さんが現れたのだ。
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