隣人はクールな同期でした。
けれど俺は
それをヒナコに言えずに来た。


「どう…したの…?
 ジンくん?」


両親の事でずっと
耐えてきたお前に
言えるはずがなかった。



だけどこれ以上は…


「ヒナコ…」


俺自身も
嘘はつけない。

だから――


「マンションに
 戻りたいんだ」


最低な言葉しか出て来ない。


「な…んで」



震えるヒナコに
俺は何が言える?


「悪い…な」


そんな言葉しか言えないのか?
他に言わなきゃいけない事は
たくさんあるだろ。


「もうお前の傍には…」


どうしてそんな曖昧な言い方しか…


「…もしかして
七星さん…?」


意外とも言える唐突なヒナコの言葉に
俺は、言葉を失った。

どうしてヒナコが知ってんだ?←いや、バレバレだから。


「ジンくんが傍にいたい相手って…」

「…」

「何も言わないって事は
そう…なんだね」


コイツがいつから気付いていたのかは
正直わかんねぇ。
だけど今更、隠す必要もない。

言わなければ前に進めないからな…


「…そう、だな。
俺はアイツの事が…好きなんだろうな」


言葉にすると
俺自身が1番自覚する。

そしてケジメもつく。
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