時には優しく…微笑みを
絡まった糸
「朋香ちゃん大丈夫?辛くない?」

起き上がった私に心配そうに、顔を覗き込んだ結子さんに笑顔で大丈夫だと返事を返した。

「よかった。菅野君ね、しつこかったのよ、電話。あんまりしつこいから電源落としてやったわよ」

笑いながら、電源を落とした携帯を私に見せてきた。

「いいんですか?そんな事して…」

「いいのよ、ほんとに。心配性なのよ、彼は」

「心配性…いつもですよね…課長は。私、迷惑ばっかりかけて…」

「ち、ちょっと待って」

私が喋りだした瞬間、結子さんが私の両肩を持って、勘違いしてない?と言ってきた。

勘違い?何が?

「あのね…、朋香ちゃん相手だからよ?分かってる?もしかして、菅野君から聞いてないの?」

聞く?何を?
好きだとは言われたけど…

「あ、あの告白はされました…好きだって…」

「違う違う、それとは別の事!」

別?なんだろう?

「ま、いっか…さっき、諒太も話そうとしてたけど、菅野君には私が喋ったって言わないでね。怒られるから。勝手に言っちゃうけど、これはルール違反なんて思わないでね。誤解はよくないわ。菅野君ね、朋香ちゃんの事、3年前から好きだったのよ?信じられる?片思い…してたのよ!」

片思い…3年前から?
待って、待って!私…会社に入ったの去年よ?どうして??

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