時には優しく…微笑みを
「ふふふ、どうして?って顔してるわね。そうよね、3年前って言うとまだ大阪で学生してたんだもんね?」

「はい、そうです。どうして…」

「朋香ちゃん、会社説明会とか3年前から来てたでしょ?その時、D&Dも来たんじゃない?その時らしいわよ。菅野君あなたと話す機会があって、一目惚れしたって話。大変だったんだから、あの当時」

そのあと、結子さんが私と課長が初めて会った時の話を詳しくしてくれた。
私もあの時の事はうっすらと覚えていた。

まだその頃は、優弥さんと付き合っていて、東京に出て来たら?と言われて浮かれて東京の会社ばかり選んで、会社説明会に来てたんだ。

確かにD&Dも来た事があった。
会社の人とも話をした事があった…あの時の説明会に出て話をしていた。

気がついてなかった、私は…その時の人が課長だったなんて…

「菅野君はね、会社説明会に来て、あんな風にはっきり物を言う子、しかも女の子が言うのが逞しかったって、褒めてたのよ。ああ言う子が会社にはいったらいいのに、って。…で、どこの誰かまで調べたのよ。もうストーカーよ、そこまできたら。だから、あなたの名前を新入社員のリストで見つけた時の菅野君の喜びようってなかったんだから。言ってたでしょ?諒太が。やっと恋愛出来る人を見つける事が出来たから安心した、って」
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