扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
「…まさか本当に武器だったんだ、これ」



「どうなってんだろうな」



見た目は子供が遊ぶような短剣にしか見えないけど。



何がどうなって武器になっているんだろう。



「………」



考えも無意味か。



ただでさえ理解できない世界で、しかも物語の中に入っているのだから。



「結局、あの岩は何だったんろう?」



「しらね」



暁さんも何もわからないのか素っ気ない反応だった。



「考えても無駄だと思うよ」



「そうだね…」



「普段の物語でも意味のない事なんてしょっちゅうだよ」



「そうなんだ」



「だから気にしても無駄だから」



「そう……」



(あ)



だからなのか、さっきのくじ引きの水の水晶みたいな謎なものが出てきても、私以外 反応がなかったのは。



よくある事だったんだ…。



(なるほど…)



何気に納得できてしまった。



「意味があったりなかったり、ただのアクションという可能性もあるから。今回もその類いだと思うよ」



「そっか」



暁さんにとっては日常的な事で、考えても無意味だから素っ気ない反応だったんだ。



慣れるとどんなすごい光景でも驚かなくなるんだ。



そういうものなのか。




「というか、次の合図まだ?」



「あ、宝箱だよね」



「うん、…まあ不定期であるからな」



「そっか…!」



ふと何気なく横目で当たりを見渡すと、またあからさまな合図の矢印を見つけた。



「ええ…」



地面にちょこんと立っていて「こっちだよ」と親切に書いてあって、矢印までも向けてくれていた。




「……あれだよね」



「あれだな」



矢印の方に目を向けると、なんとも歪で少し愉快な顔のした動物の顔をした人形が立っていた。



「………」



近付いて見ると、更に歪というかきみの悪さが際立っていた。



そういや、あの地下の部屋に入るスイッチがあるぬいぐるみもおぞましい見た目をしていたけど。



(もう、考えない方がいいか。考えてもムダだし…)



本当におかしな事ばかりだ。



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