ひと夏の恋をキミと

俺、姫奈の事が…

「そろそろ帰るか?」


今は17:00過ぎ。
帰ればちょうど夕飯の時間かな。


「そうだね。」


同じ歩幅で駅へと向かう。


海とつながる川がすぐ近くに流れているここは
微かに潮の匂いが鼻をかすめる。


駅まであと少しという所まで来た時、


「やっぱ、もうちょっとだけいい?」


急に陽輝が立ち止った。


「良いけど…、どうかした?」


「もう一か所、行きたい所があるんだ。」


それだけ言って後は何も教えてくれなかった。


電車に乗り、海の家がある駅の
2つ手前で降りた。


近いけど
この駅で降りるのは初めてだった。


だから何があるのか
想像もつかないまま
陽輝の後を追った。


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