ひと夏の恋をキミと
「ここ、来たかった。」


久し振りに口を開いたのは
小さな鐘が一つある丘の上だった。


辺りは芝生で
端にある花壇には
たくさんのひまわりが咲いて、
少し高い場所に位置するそこからは
街を見下ろせた。


「…素敵。」


この言葉が一番似合う場所だった。
夕日に照らされ
輝きを増している。


「この鐘さ、2人で鳴らすと
永遠に一緒にいられるって言われてるんだ。」


まぁただの噂だけどって
頬を掻きながら少し照れくさそうに
付け足した。


永遠…


そんなものが存在すればいいのに。
でも、どうしてここに…。


その理由が知りたくて陽輝を見ると


ふぅっと小さく息を吐いて
何かを決断したような表情をしていた。
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