ひと夏の恋をキミと
「その日記を読んだことを伝えると、
お母さんお節介だなって
笑ったんです。
偽りのない笑顔で。
それから、俺の名前を呼びました。
その時の声は今でも鮮明に覚えています。

…彼女は手術を終え、今も眠り続けています。」


真剣に話を聞いてくれていた生徒たちからは
えっ…と小さな声が
あちこちから聞こえてきた。


「だから俺は、医者になろうって決めました。
彼女が目醒めた時、彼女の役に立てるように。
それから猛勉強して医学部に合格しました。
これから俺は医者になる為の勉強を始めます。

長々話して申し訳ないんですけど、
何が言いたかったっていうと、
人って誰かを強く想えば何でも
出来る気がするんだよな。」
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