空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
そんな醍に私は何をしてあげられるんだろう?
「いつまでもここにいちゃダメだわ。準備が整ってるなら少しでも早くお父さんと話をしなくちゃ」
そう言いながら、彼の腕をきゅっと掴む。
「え?もうここにいちゃダメなの?」
彼は眉間に皺を寄せ、不安そうな目で私の方に顔を向けた。
「・・・・・・一度は家に帰らないと」
自分の気持ちがぶれそうになって醍の瞳から目を逸らす。
私の頬に少しひんやりとした彼の手が当てられる。
「わかってるよ。帰らないといけないことくらい。もうずっと前から」
「だったら・・・・・・」
そう言い掛けた私の唇が塞がれ、そしてそのまま彼は私の上に覆い被さった。
ゆっくりと彼の唇が離れ、潤んだ瞳で私を見下ろしている。
「いつの間にか、和桜にどんどん惹かれてこのままずっとそばにいたいって思うようになっていった。正直、今準備を進めてる事業だってもうどうだっていいような気さえしてきた時もあった」
私の全身で彼の言葉を受けとめている。
幸せすぎてどうにかなってしまいそうなほどに。
だけど、醍はこんな場所で留まる人じゃない。
「醍の気持ち、すごく嬉しい。だけどそれはいけないわ。あなたは空を掴むんでしょう?」
今度は彼が私から目を逸らす。
「そのことも、わかってるさ。わかってるから俺の中で今ものすごく葛藤してる」
「帰った方がいい」
「ああ」
私の気持ちが変わらないうちに、醍の気持ちを決めてほしい。
「すぐに」
「わかったよ。わかったから」
彼は自分のおでこを私のおでこに当てた。
彼の苦悩する表情が見えなくらいに近い。
きっと醍は私にそんな顔を見せたくなかったのかもしれない。
「帰る前にもう一度だけ、和桜を愛してもいい?」
「いつまでもここにいちゃダメだわ。準備が整ってるなら少しでも早くお父さんと話をしなくちゃ」
そう言いながら、彼の腕をきゅっと掴む。
「え?もうここにいちゃダメなの?」
彼は眉間に皺を寄せ、不安そうな目で私の方に顔を向けた。
「・・・・・・一度は家に帰らないと」
自分の気持ちがぶれそうになって醍の瞳から目を逸らす。
私の頬に少しひんやりとした彼の手が当てられる。
「わかってるよ。帰らないといけないことくらい。もうずっと前から」
「だったら・・・・・・」
そう言い掛けた私の唇が塞がれ、そしてそのまま彼は私の上に覆い被さった。
ゆっくりと彼の唇が離れ、潤んだ瞳で私を見下ろしている。
「いつの間にか、和桜にどんどん惹かれてこのままずっとそばにいたいって思うようになっていった。正直、今準備を進めてる事業だってもうどうだっていいような気さえしてきた時もあった」
私の全身で彼の言葉を受けとめている。
幸せすぎてどうにかなってしまいそうなほどに。
だけど、醍はこんな場所で留まる人じゃない。
「醍の気持ち、すごく嬉しい。だけどそれはいけないわ。あなたは空を掴むんでしょう?」
今度は彼が私から目を逸らす。
「そのことも、わかってるさ。わかってるから俺の中で今ものすごく葛藤してる」
「帰った方がいい」
「ああ」
私の気持ちが変わらないうちに、醍の気持ちを決めてほしい。
「すぐに」
「わかったよ。わかったから」
彼は自分のおでこを私のおでこに当てた。
彼の苦悩する表情が見えなくらいに近い。
きっと醍は私にそんな顔を見せたくなかったのかもしれない。
「帰る前にもう一度だけ、和桜を愛してもいい?」