総長さんが甘やかしてくる③
「それでもミノルがサトルさんを想う気持ちやスポーツにかける情熱は、紛れもなく本物だった。正しい道から外れてしまっただけで。それを叱ってやれる大人がいたら。……ミノルは心にもっと余裕が持てていただろう」
「悪いのはミノルでなく。ミノルを取り巻く環境だったといいたいの?」
そうは言っていない。
どんな環境下でも強い意志や信念を持ち、正しい選択を選び続けている人間だっているだろう。
だから、道を誤った者を甘やかすつもりはねえよ。
「あの怪我は。半分は俺の責任で。もう半分は、ミノル本人の責任だ」
「だからさ。幻は、なんにも悪くないって」