花咲き病の君が笑わない理由。


唇が離れるそのタイミングで俺の名前を呼ぶ君に、少しだけ猶予を与えるかのように唇を離した。


じっと君を見つめると、君は戸惑いの表情を見せながらも俺の目を見ていた。



「ど、どうして……桐生くん」


「君が好きだから、それだけじゃ足りない?」


「そ、そうじゃなくて……なんで私なんか」


「とても簡単に……君に心を奪われた、哀れな男だと思えばいい。君のことが知りたい、もっと傍にいたい。全部全部俺のものにしたい」



そう言い捨てるように吐き出して、また君の唇を奪った。


何度かキスをして震える君を強く抱きしめて、咲く花々を愛でた。



「そ、そんな……こんな私なんかと一緒に居たら、きっと後悔するよ?」


「どうしてそう言いきれる?」


「最初に質問してきた答え、それはね?」



そっと震えながら俺の耳元でこう囁いた。



「笑うと、花が咲いて……すぐにこう、バレちゃうの」


「え?」


「だからっ……桐生くんと一緒に居ると、たくさん笑って好きって気持ちがバレちゃうの。花が咲いては……その繰り返しだかーー」



だから、そう言い切る前にもう一度俺は君の唇を奪った。





< 9 / 13 >

この作品をシェア

pagetop