祈り









「誰だよ!?」
「黙ってんじゃねーよ!!」

“バン、バン!!”

怖い、震える手を身体に押し付ける。

「あ……ごめんなさい!」
「ウザイよ」
「…………」

俯いて唇を噛み締める。
背中にじんわりと汗が滲む。

「チクんじゃねーぞ?」
「……はい」

ドアを開けられずに、結局私は授業をサボってしまった。
震えながら、手首を掴んだ。










< 10 / 50 >

この作品をシェア

pagetop