祈り









「…………」
「何やってんの~、早く歌お!」
「好きな歌早く入れて~」

皆が適当にドリンクを取ってきた。
何人かはオーダーしたスナック。
残りは歌本に手を付ける。

私は烏龍茶を飲む。
口にしたら、意外と苦い。

「じゃあ、入れて」

リモコンを渡される。
歌、歌うんだぁ。
盛り下がる奴は無駄だよね。

どうだろう。
あ、そうだ。

MANAの愛。
友情と恋の両立。
違う。

ユウナの柴?
そうだ、優しい友情。
これ!
146-9876と……送信!

「入ったよ~」
「じゃあ麻美から~!」

ニコニコ笑いながら歌う友達。
優しい風っていう曲。
こんなんでよかったんだ。
考えちゃった。

でも、気になる。
『じゃあな!』と言った藤森の笑顔。
本当に優しい顔だった。











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