祈り









「きゃ~、告白かよ~!?」

友達たちがはやしたてる。
皆祝福じゃなく面白がってる。

いつもならムカつく。
でも、この時は『普通』という言葉に凄く、一人で感動していたんだ……。

「じゃあ、俺帰るから!じゃあな!」
「……うん」

大きく手を振ってくれる藤森。
人目を気にせず笑う藤森に私は眼を奪われてしまった。こんなこと、めったにないのに。

「ねえねえ、藤森好きだった?」
「OKしちゃうわけ?」

ニヤニヤしながら見てくる友達。
あのグループの人たちは教室に戻ってしまい、私は友達に手を引かれてカラオケへ向う。何事も無かったような皆と、ドキドキし続けている私。
こんな気持ち、初めてだった。









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