あなたに恋のお届けものです
「あと少しだな。」
「…うん。」

私は先に帰ることになる。勝利はその数日後だ。

一応一緒に帰ることはわかっているけれど、もし突然無理になったら…とか考えてしまってやっぱり怖い。

「…また会えるよね。」
「当たり前だろ。きっと会える…いや、無理やりにでも会いに行く。」

そっと、勝利と手を繋いだ。

勝利のぬくもりに少しだけ安心した。

「私、勝利を好きになって本当によかった。幸せだよ。」

最初は、何だこいつって思った。だってすごく俺様でバカで、バカで。

でも、本当に優しくて…一緒にいて楽しくて。

すれ違ったり、有紗とのこととか色々あったけど…
「大好き!」

私はそう言って満面の笑顔を浮かべた。

「…っ…」
とたんに勝利は顔が真っ赤になる。

「バカ、かわいすぎんだよ。」
「最初は、かわいくないとか言ってたけどね。」

「あんなの嘘に決まってるだろ。」

そう言って笑い合う。





ポーンポーン

スマホのアラームがなって…
0:00になった。

だんだんと目の前が白くなっていく。
だけど、勝利のぬくもりは離したくなくて手だけは離したくなくて…

「真由子。」

…バイバイ。


目の前が完全に真っ白になった。

意識が遠退いていく。
勝利。また会えるよね。
私は…


そんな中、

「大好きだ。」


そんな勝利の声が…意識の彼方で聞こえた気がした。





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