一途で甘いキミの溺愛が止まらない。
「今日数学のノート提出らしいから集めて持っていくように。以上」
帰りのホームルームの時間が、担任の先生の言葉で終わる。
数学のノートを提出で持っていくように、というのは私に向けての言葉みたいなものだ。
みんな教卓に置いていくだけで、誰も持っていかない。
それだと全員の提出点がなくなってしまうから、それはいけないと思い、毎回私が持っていっている。
だから教室に誰もいなくなるのを待つ。
上条くんは遊びの誘いを断っていたから用事があったのだろう、教卓にノートを置くなり教室を出ていった。
…って、何意識してるんだろう私。
呼び出しを食らう恐怖がまだ消えていないというのに。