一途で甘いキミの溺愛が止まらない。




「れ、蓮くん落ち着いて…」
「嫌だ、菜穂を絶対連れて行く」



一度落ち着かせようとしても、蓮くんは抱きしめる力をぎゅっと強くしてしまう。



「く、苦しいよ…!」



「俺の心も苦しいよ、菜穂。
俺を見捨てないで。


菜穂に見捨てられたら俺、無理だ生きていけない…」



どうしよう、蓮くんが全く話を聞いてくれない。
むしろ話が繋がってない。



もう私の抵抗はここまでだった。
諦めるしかない。



本当はまだ断りたい気持ちもあるけれど、蓮くんについて行くことにした。



「蓮くん、私見捨てないから…!
今日、私も行く…!


だから少し力を緩めてほしい…です」



「……っ、本当!?
菜穂、行くって言った!?」



すると蓮くんは私の言葉を聞いてすぐ、力を緩めるどころか私と距離を開け、じっと真正面から見つめてきた。



その目は眩しいくらい輝いていて。



わ、わかりやすい…。
ここまで顔にでる人だったんだと驚いた。



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