一途で甘いキミの溺愛が止まらない。
「でも、どうして…?
こんな地味な私なんかでいいの?
グループの社長って、すごい人だよね?
それなのに私なんかが…」
あれ?
そもそも私って誰と結婚するの?
その社長?
息子さん?
息子さんとしたら相当年上…?
わけがわからなくなっていると、またお父さんが口を開く。
「いや、菜穂は十分可愛い。
それに向こうの人が希望したんだ。
どうやら菜穂のことを知っているようで、是非とも今すぐ婚約してほしいと。
相手は社長の息子さんなんだが、容姿も完璧で人当たりもとても良かった。
菜穂と同い年だって言ってたな」
お父さんが私のこと可愛いって言ったことよりも、後の言葉がどうしても心に引っかかってならない。
私と同い年、容姿も完璧、人当たりもいい…?
真っ先に上条くんが頭に浮かんだが、まさかそれはないよね。