一途で甘いキミの溺愛が止まらない。
車に揺られ、いつもの場所で降ろされる私たち。
そこからは蓮くんと私、別々の道で登校する、はずなのだけど……。
「れ、蓮くん…!」
「どうしたの?」
「て、手が…!」
蓮くんに手を握られ、引かれたのだ。
自然と足が前に出て、蓮くんと歩く形になる。
このままじゃないとバレてしまう。
「……もう両想いなんだしいいよね、みんなに言っても。
我慢の限界だよ、菜穂は俺のものだって見せつけたい。菜穂のこと気にしてる男はいっぱいいるんだから」
「そ、そんなことないよ…!」
「いるよ、特に秋野とか危険だから近づけさせないよ」
「秋野くん……?」
どうして秋野くんなんだろう?
昨日のは誤解だって蓮くんにわかってもらったはずなのに。