センセイが好き―恋人は中学教師―



「……へ?」




ザァッ――という風の音が、やけに耳に響いた。






俺は一瞬、何を言われたのか理解できずに、桜を見つめ返したが

彼女は変わらぬ真剣な眼差しで俺を見ていた。







「…さく、」


「…あたし…冬馬が好きなの。
だから…冬馬と……したい。

…最初で最後でもいいから……お願い」



桜は一歩俺に近付き

うっすら涙が浮かんだ目を俺に向けた。



「一瞬だけ……あたしを好きになってください…」


「…っ!!」






告白された経験がないわけじゃない。


むしろ告白されるだけなら経験豊富なほうだ。










けど






今まで、こんなにも過激で







…何故だか涙が溢れてくる告白をしてきた奴はいただろうか?






「冬馬…?」


「…ごめ……何かわかんねーけど…」




胸が、きゅうって…

締め付けられた。






きっと、嬉しくて。






「…一瞬なんて…やだよ」


「…え…?」


「…ずっと…好きでいさせてください」







俺たちは

お互いに歩み寄り




どちらからともなく唇を重ねた。

< 55 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop