【続】アーモンド~キミとの未来~
なんとなく秋斗に似た笑顔に見えた
そしてパッと目を逸らす
(違う…。八尋くんとあの人を一緒にするなんてバカじゃないの私)
八尋は千咲の態度は気にしてなかった
誰かと自分が重ねてるんだと勘ではあったがそう思った
それは口が避けても言えないため何も言わなかった
「千咲ちゃん、帰れる?創汰呼ぼうか?」
「だ、大丈夫だよ。もう気分良いしこれ以上創汰に迷惑かけられない…」
「迷惑?」
キョトンとする
昔からの仲なのに迷惑もへったくれもあるのかと思った
だけど八尋には思い当たることがあった
それは創汰がやたら千咲を気にする様子だ
いくら幼なじみで好きな子とはいえ心配してることが多々あった
「創汰ってもしかして心配性だったりするわけ?」
「……え、うん。まあ、そんな感じかな」
創汰も千咲も周りから分かりやすかった
それは瑠花も同じだ
八尋は似たもの同士だからこそお互いに迷惑掛けないように気を使ってるんだなと察した
いくら幼なじみでも大学生だし良い年頃だ
そりゃ何かしら気を使うだろう
「千咲ちゃん、別に全部抱え込まなくていいと思うよ?」
「え?」
「会ったばかりのオレが言うのはおかしいけど千咲ちゃんって全部一人で抱えるタイプでしょ?」