眠り姫

「そういえば、私って姫なの?」

紫苑「そだよ」

龍「綾に権限なし」

蓮「そのことなんだが、俺の親父が話してるらしいが向こうも応じないらしい」

龍「そんなに、綾必要なのか?」

「私いないと実験できないからね」

龍&紫苑「実験!?」

「そう、臨床試験の材料なの」

紫苑「蓮、早く綾ちゃんを取り返して!」

蓮「分かってるよ」

「そーいえばさ、蓮ってなんで入院してるの?」

蓮「族の抗争で肋骨と足折った」

「抗争って何?」

律「抗争とは族同士の喧嘩ですよ」

「律、帰ってたんだ」

律「その呼び方……」

「嫌だった?ごめんね。今まで通り大月って呼ぶね」

律「いえ、律で大丈夫です」

龍「欲丸出しだな」

律「黙りなさいー黒笑ー」

龍「ヒィッ、申し訳ありません」

「総長がそんな怪我して大丈夫なの?」

蓮「幹部でなんとかしてる」

「幹部って何?」

律「俺、蓮、龍、紫苑、奏の5人です」

「そうなんだー」

紫苑「本当に綾ちゃん知らないんだね」

「うん」

蓮「俺の退院は来週の月曜。それまでにはお前を連れ出したい」

「う、うん」

みんなの迷惑にならないかな?
それだったら行かない方がいいよね。

蓮「みんなに迷惑とか思ってないよな?」

「えっ」

蓮「迷惑じゃないし、いてくれた方がいいから。」

そんなこと言ってくれるなんてめっちゃ嬉しい。

「ありがとう」

紫苑「綾ちゃん照れてる〜、可愛い」

蓮「あっ、そろそろ身体にも悪いから病室に戻れ」

「うん」



蓮達は知らない、この話を聞いていた者がいることを。
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